3月 01 2025 / ラウンド・ザ・テーブル誌
効果的な質問で耐性を高める
質問を変え、繫がりを強めて耐性を鍛える。
対象のトピックス
効果的な質問で顧客との関係を改善
By Jamie McIntyre, CFP
お客さまが求めているのは問題への解決策であり、人生の目的を達成するための支援です。お客さまの目標、問題、ニーズを見極める最善の策は、彼らに時間を投資し、商品主体ではない質問をすることです。
お客さまが人生に何を望むのかを掘り下げ、深く理解する過程で、自然とクロス・セルが発生します。しかし、より効果的な質問を投げ掛けてお客さまにとって大切なことを理解しなければ深い絆を結ぶことはできないでしょう。
標準的な質問
「あなたが亡くなったらどうなるでしょうか」というのは妥当な質問です。しかし、この質問ではお客さまにとって何が本当に重要なのかは分かりません。お客さまの真のニーズやウォンツに踏み込んでいないからです。生命保険に関連した質問では水面下に潜り込むことはできません。
より効果的な質問
その代わりに「誰をサポートし守ることが重要ですか」と尋ねてください。これによってお客さまとの関係が深まり、商品ではなく個人レベルでお客さまを理解できます。
標準的な質問
アドバイザーの定番の質問は、「いつリタイアしたいですか」です。オーストラリアでは公的年金が支給される67歳という答えが一般的です。しかし私たちの問いかけは違います。お客さまの人生に関わり、彼らが本当に望むことを引き出します。
より効果的な質問
お客さまに「何歳ごろ、『明日から働くのを止めよう』と選択できる自由を手に入れたいですか」と尋ねます。その答えは、お客さまにとって意味のあるものに結び付いています。最終的に「今の仕事から解放される経済的自由を何歳で手に入れたいか」という奥深い話につながっていきます。政府が定めた退職年齢にひもづける必要はありません。
目標設定に関する質問
お客さまの夢を引き出し、それに向かって行動していただくために、有意義な質問で目標設定を促してください。例えば「お金と計画を必要とする目標は何ですか」などです。その答えは商品主導ではなく、決められた退職日に基づく目標でもありません。お客さまは自分の人生について語ってくれるでしょう。人生ではすべてにおいてお金と計画が必要です。協力して目標を達成するために、具体的な時期を設定して取り組まなければなりません。
目標設定を練習するもうひとつの方法は、「ある目標を達成したときにどう感じるでしょうか」という問いにひとことで答えてもらうことです。その回答によって、目標に気持ちがこめられ、その達成に感情が加わるだけでなく、責任ある日時を設定できます。それはご自分で設定した目標になります。
お客さまが自分で決断できるように導くことは非常に重要です。特に「アドバイザー」という肩書は、アドバイスや指示を与えてくれる人と思われがちです。一方で見込客は指図されることに抵抗を感じるものです。だからこそお客さまの自発的な決断を促してください。そして、そのためのツールを提供してください。お客さまの成長とより良い決断を導き出すことがファイナンシャル・アドバイザーの責任です。
Jamie McIntyreは、オーストラリア、ビクトリア州Newtownの14年間MDRT会員。Contact:jamie@macfinancialadvice.com.au
レジリエンスを再構築し持続的な成功を
By Antoinette Tuscano
専門家としてのレジリエンス(回復力)を身につけることで、適応力が高まり、結果を出すことに集中できるようになります。しかし、その力は枯渇することがあるので、使うたび高めておく必要があります。
著者もあるHeidi Deningは2024年MDRTグローバル・コンファレンスでの講演で「自分のレジリエンスを水の入ったバケツだと思ってください。水はあなたのすべての強みと能力を表しています。好調な時、バケツは強くて頑丈です。乗りに乗っているとバケツは強く保たれるので、仕事では生産的で自信に満ち、能力を発揮できます」と語りました。
しかし、困難な時期に私たちのバケツはもろくなります。「小さなさびついた穴がやがて大きな穴となり、私たちの長所や能力が漏れ出してしまいます。仕事では無気力や集中力の欠如を感じるかもしれません。決断を誤り、愚かなミスを犯します。何でもないことで不機嫌になることもあります」とDeningは語りました。
「やることリスト」にたくさんの項目があるとき、どうやって優先順位をつけ、バケツを修理し、再び水を満たせばよいのでしょうか。
レジリエンスの再構築
DeningはStrong Bucket Formula(強いバケツの法則)を発案し、さびついたバケツの穴を修復して、レジリエンスと成功を再構築しようと呼び掛けます。
- 法則1: 毎日10分間じっとして脳を休め、リセットします。座って、ハイテク機器の電源を切り、目を休め、10分間何もしないことを楽しみます。それだけです。自分にその時間をプレゼントしてください。1日のほんのわずかな時間でよいのです。
- 法則2: 週に1時間、喜びを見つけてください。Deningが言う喜びとは、「起きますように」と願う偶然の喜びではありません。カレンダーに予定された習慣的な喜びを意味します。例えば、あなたが情熱を感じるテーマの研究や動物保護施設でのボランティア、会社の若いリーダーの指導などが考えられます。
これらは一例にすぎません。レジリエンスを再構築するためのその他の法則について、Deningが2023年MDRTアニュアル・ミーティングで行ったプレゼンテーションをmdrt.org/boost-your-resilienceでご視聴ください。