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復活を遂げる
復活を遂げる

3月 01 2025 / ラウンド・ザ・テーブル誌

復活を遂げる

助けたいというSchmidtの想いが復活への原動力です。

対象のトピックス

Schmidtの主な顧客は、彼の父親のような自営業者です。「歯科医でも、弁護士でも、建設業者でも、自力で成功した自営業者は才能があります。しかし突然私たち家族を襲ったような事態を避けるために、計画を立てる時間を取ろうとしません」と語るのは、米国オクラホマ州オクラホマシティの15年間MDRT会員であるThomas A. Schmidt, CFBS, CLTCです。

Schmidtの父LaVon Schmidtは1960年代、カンザス州北中部の鋳物工場で鋼材を運ぶ仕事をしていましたが背中をひどく痛めてしまいました。結婚して3人の子どもがいて、4人目も生まれてくるというのに、彼は1年間ギプスを着けて生活しなければなりませんでした。最終的に背中の手術を数回と、心臓の3枝バイパス手術を2回受け、52歳で亡くなりました。彼は生命保険に頼ろうとしましたが、最初の心臓手術を受ける前にアドバイザーから保険に加入できないと告げられました。

しかしそのアドバイスは間違いであり、実際には保険料の免除が認められなかっただけで、保険に加入できたのです。

「私たちと同じ経験を他の家族がしなくてすむお手伝いできるのなら、それが私の使命だと思うようになりました」とSchmidtは語ります。

逆境を乗り越える力

事故の後Schmidtの父親は、肉体労働ができなくなりました。しかし近所のドラッグストアで買った15ドルほどのプラスチックの造花と2冊のデザイン本で花屋を始め、家業として22年間繁盛させました。無から有を生み出すことはSchmidtが両親から学んだ教訓のひとつで、彼がこの仕事を始めた1年目にも生かされました。自身が自動車事故に遭い6カ月間仕事ができず、歩く練習からリハビリを始めなければならない状態だったからです。

「大変つらい時期で、経済的にも苦しい日々でした。手数料収入が見込めないので、この仕事を辞めて給料制の前職(石油・ガス産業)に戻ろうかとも考えました」と言います。

Schmidtは見込客にダイレクトメールを送りビジネスを開拓しようとしましたが、唯一見込みがあったのは保険会社が出した新聞広告に興味を示した一人の勇退者だけでした。彼は遺産計画について質問してきました。保険の加入には興味がなく、ビジネスとして有望ではありませんでした。Schmidtは資産税対策について詳しくありませんでしたが、取りあえず会ってみることにしました。すると書類に不備があるのではないかという疑問を持ちました。友人の弁護士に相談すると、その見込客の信託に資金が投入されておらず、そのせいで多額の税金を払うことになっていました。

その勇退者はお礼に報酬を支払おうとしましたが、Schmidtはそれを受け取りませんでした。すると以前地元のコーヒー会社で営業をしていたその方は会社幹部に紹介してくれました。Schmidtは会社の休憩室に招かれ、そこにいた約30名から保険をお預かりすることができました。そして、彼らの子どもたちや孫ともつながれました。

「見込客が誰もいない状態でしたが、正しいことをしようとし、紹介をいただけたおかげでこの仕事に復帰できました」と語ります。

コントロールできることはコントロールする

その後彼は地元の商工会議所に入会し、中小企業や弁護士をターゲットにしてビジネスを拡大しました。また、日中のクライアントとの面談とプライベートのバランスを取ろうと努めた結果、過去25年間で午後5時半以降のアポイントメントは10件ほどしかありません。その代わり顧客との会話、電話、メールのすべてで「今日のお話はお役に立ちましたか」と常に確認するようにしました。

「経営者と仕事をしていくにつれ、自社株の売買契約やキーパーソン保険だけでなく、従業員福利厚生の多くを手掛けてほしいと依頼されるようになりました。意図していたわけではありませんが、これが事業の多くを占めるまでに成長し、約70社の従業員福利厚生を担当しています」と述べます。

Schmidtは「面倒な従業員福利厚生業務」を雇用主に代わって行い、従業員全員の名前を覚えるほど熱心に社員に寄り添っています。その献身が見込まれ、顧客である多くの家族経営会社は、3代目、4代目に継承されても彼と仕事をしています。さらにSchmidtは申請処理に時間がかかりすぎると思い、保険会社の審査官に自分のオフィスの空き部屋で医務審査をしてほしいと打診しました。書類手続きに来る際、お客さまに健康診断も受けてもらえるということで、断る人は誰もおらず、オフィスでの検診と書類手続きを1回の訪問で済ませることで、加入までの査定期間を7~9日短縮できました。

第二の危機

数年後、Schmidtは胆のう摘出後の血栓による合併症で入院し、再び試練を経験しました。トイレ以外は、ずっとベッドに寝たままで過ごすようにと医師に告げられ、その状態が6カ月間続きました。

「初日から既に退屈で仕方がなく、医師からベッドで作業する許可をもらいました。そこでオフィスに電話をしてファイルを持ってきてもらい、案件に取り組みました。病室に来た医師からは、何をしているのかと質問されました」

その週の終わりまでに、3人の医師から所得補償保険を、そして看護師とその子どもたちから6件の生命保険をお預かりすることになりました。その当時、見積もりを送るために保険会社はインターネットを使っていませんでした。Schmidtは病室にファクスを置けなかったため保険会社に電話で見積もりを依頼し、その情報を病院に郵送してもらいました。月末までにSchmidtは近隣のどの代理店よりも多くの取引を成立させ、年末には所属する保険会社の所得補償保険と総合でのトップの成績を上げることができました。

Schmidtは自分の能力に自信を持てない時でも立ち直り、変化に適応し、前進し続けてきました。これはサポート体制なしには実現できませんでした。妻のTerriと息子のMichaelは、苦しい時期、人に奉仕しているSchmidtが素晴らしく輝く存在であると声をかけて励ましました。

「諦めたくなった時は問題から一歩距離をおき、最初の動機を思い出してください。達成したい目標を考えてください。自分が提供している商品やサービスに情熱を持っていますか。自分のしていることに信念を持っていますか。もしそうなら絶対に諦めないでください」と語ります。

Contact

Thomas Schmidt tom@thomasaschmidt.com