3月 01 2025 / ラウンド・ザ・テーブル誌
力強く成長するための見込客探し
既存顧客から新規ビジネスを獲得する8つの方法。
対象のトピックス
キャリアの初期から中期段階にいるアドバイザーは常に見込客探しをするべきです。既に忠実な顧客がいるかもしれませんが、諸事情でクライアントを失うことは誰にでもあります。亡くなったり、引っ越したり、もっと気が合うアドバイザーを見つけるかもしれません。成長し、少なくとも昨年と同等かそれ以上の業績を維持するには新しいビジネスが必要です。では新規ビジネスをどのように開拓しますか。
一つの分かりやすい方法は新しいクライアントを呼び込むことです。知らない相手に飛び込み電話をするというやり方もありますが、飛び込みは見込客探しの一形態に過ぎません。既存顧客との関係を活用して新規ビジネスを獲得するなど他に多くの手法があります。
保険アドバイザーは保険こそが主要な商品であると論理的に考えます。これまで新しい取引先を保険で獲得してきました。昔は異なる分野の金融専門家が自分だけの取扱商品を持ち、専門分野外に手を出すことはありませんでした。保険アドバイザーは保険を販売し、証券ブローカーは株式を販売し、銀行員は預金を預かり融資をしていました。今日ほとんどの金融専門家はさまざまな商品を扱えます。つまりニーズのある商品を提供して新規顧客を獲得します。次にその方が必要とする別の商品を提供することで関係を広げて行きます。クライアントに複数の商品を提供することを「ウォレットシェア(扱い比率)を増やす」と言います。
保険アドバイザーは銀行や証券会社で働く昔ながらの金融アドバイザーより有利な立場にいることはあまり知られていません。一般的に従来の金融アドバイザーは既に資金を蓄えている人(多くの場合25万ドル以上)をターゲットにしますが、保険アドバイザーは貯蓄がなく多額の大学ローンを抱え高給をもらい始めたばかりの新米医師といった、まだ金融資産がない人とも仕事をします。つまり25万ドル以上の貯蓄に成功した人も、まだ資産は蓄積していないが今から豊かなキャッシュフローと可処分所得を持つことになる人も支援できます。
このような人を見つける方法をご紹介します。
1. 一族を巻き込む。
あなたを気に入っている素晴らしいお客さまがいます。あなたはその方と可能な限りのビジネスをするでしょう。その方には両親がいます。子どももいます。兄弟、姉妹、叔父、叔母、姪、甥などの親戚がいます。お客さまは夫、妻、子どもだけが家族だと思っているかもしれませんが、一族の中にも支援できる人がたくさんいます。
2. ソーシャル・メディアに参加する。
以前は代理店やアドバイザーがソーシャル・メディアを利用することは禁じられていました。今は誰もがソーシャル・メディアで存在感を示し、ルールを学び、定期的に投稿するべきだと言われています。もしとっくに実行しているなら、次のようにして新しいビジネスを見つけてください。皆さんの投稿にコメントする人と交流しましょう。自分のグループに誘ってください。また他の人の投稿にもコメントするべきです。目的は対話を続けることです。
3. お客さまに新規顧客募集中と伝える。
現在のお客さまが知人を紹介しない理由はたくさんあります。一つは皆さんに既に十分な顧客がいると思い込んでいることです。皆さんの暮らしぶりを見て現在の顧客ベースで十分に成功していると考えます。友人が見込客を紹介しないのは皆さんがいつも仕事で忙しそうだからです。誰かを助けるように頼んだら皆さんの負担になると考え、紹介を躊躇してしまうのです。そんな方には「あなたのようなお客さまがもっと増えたら最高です」と伝え、顧客の名前を伏せた上で皆さんがどのように問題解決を支援したのか、あるいは大きな間違いを犯すのを食い止めたのかシェアしましょう。
4. ポートフォリオ見直しのためにお客さまのオフィスで会う。
昔は医師の往診がありました。お客さまからすれば自分から出向くより金融アドバイザーや保険アドバイザーに来てもらうのは名誉なことです。皆さんがお客さまのオフィスを訪問したらその方は自慢することでしょう。皆さんを周りの人に紹介してくれるかもしれません。後日、紹介された人について詳しく教えてもらうこともできます。
5. 問題を抱えた人を探す。
金融アドバイザーはしばしば「お金の流れ」を追うように言われます。大きな資産を相続した人や、仕事で高額の契約金を獲得した人を追い求めます。しかしそのような見込客は滅多に見つかりません。代わりに解決すべき問題を抱えている人を探してください。「専門家に資産管理を頼んでいて不満を持っている人はいませんか?その方のお話を伺ってみたいです」と質問してみましょう。
6. 失ったクライアントはいますか。
よくある話です。お客さまは電話をかけてきて「違う方に担当してもらうことになった」と言いました。他のアドバイザーが希望ある未来を約束したのです。結果はどうなりましたか。もし皆さんが未来を示せなかったのなら、他のアドバイザーにできるでしょうか。多分できません。半年前に失ったお客さまに電話をかけ、すべてが希望通りになったか聞いてみてください。大切なお客さまであったこと、無事を確かめたかったことを伝えましょう。お客さまは後悔しているけれどプライドが邪魔して連絡できなかったのかもしれません。歩み寄りは可能です。
7. 最高のクライアントは誰ですか。
そもそもどうやってお客さまを獲得しましたか。私が以前聞いた素晴らしいやり取りを紹介します。優秀なコーチが言いました。「最高のクライアントをリストアップしてください」「そのお客さまをどのように獲得したかそれぞれ書いてください」その中の何人かには同じ戦略を使っていることが分かりました。コーチは再び質問します。「その戦略を最後に使ったのはいつですか」よくある答えは「もう何年も使っていません」です。そこに皆さんへのメッセージが隠れています。
8. 友だち全員が皆さんの仕事を知っていますか。
「もちろん」と答えるかもしれません。皆さんは友だちがどんな仕事をしているか知っていますか。再び「もちろん」と答えるかもしれませんが、それは必ずしも正しくありません。10年前に入社したとき何をしていたか知っていても、その後出世したり他の部署に異動したり他の役割に就いている可能性があります。私が現場で学んだ次のトークを試してください。時間があるときコーヒーやお酒を飲みながら友人と語り合いましょう。覚えている範囲で友人の勤め先と肩書を口にして尋ねます。「興味があります。実際にどんな仕事をしていますか」相手は笑って以前とだいぶ変わったと言うかもしれません。今の仕事について一通り説明した後、皆さんにも同じことを聞く場合と聞かない場合があるでしょう。いずれにしても「私が(会社名)で働いていることは知っているでしょう。友だちに私のことを話すとき、何の仕事をしている人だと言いますか」相手は意表を突かれて「保険のセールス」と答えるかもしれません。皆さんは「それは仕事の一部で、今は( )と( )もやっています」と会話を始められます。
現在のお客さま、および友だちと知人のネットワークは新規顧客開拓の豊かな土壌になるかもしれません。
Bryce SandersはPerceptive Business Solutions Inc.社長。金融サービスの専門家に富裕層クライアント獲得のトレーニングを提供しています。著書の“Captivating the Wealthy Investor”はアマゾンで購入できます。Contact: brycesanders@msn.com