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お客さまに刺さる言葉で理解を促す
お客さまに刺さる言葉で理解を促す

3月 01 2025 / ラウンド・ザ・テーブル誌

お客さまに刺さる言葉で理解を促す

共同経営者の保険加入により企業による差別を排除する。

対象のトピックス

最近、あるお客さまの自社株売買契約をめぐる非常に興味深いケースがありました。私は生命保険で資金調達をすることの利点をご理解いただこうとしていました。

そのお客さまはカナダでワインを販売する会社を経営していました。この種のビジネスでは在庫を抱え、時間をかけて売却して利益を出すことを繰り返すため、多額の現金が必要になります。

ファイナンシャル・プランに目を通している時の会話からお客さまには2人のパートナーがいて、3人とも50代で健康だと聞きました。そこで「もしパートナーのひとりが心臓発作や飲酒運転による追突事故に巻き込まれて亡くなったらどうなりますか」と尋ねました。お客さまは「売買契約を結んでいるので、万が一誰かが死亡した場合、残ったパートナーに100万ドルが支払われることになります」と答えました。そこでその100万ドルはどこから支払われるか尋ねました。

「在庫を購入するための現金があります。約1,200万ドルあるので、そこから100万ドルを引き出すだけです」と言いました。

私はちょっと微笑んで「それは結構なことですが、もし私があなたの会社の代表なら、あなたは会社を不当に利用していると指摘します。フェアじゃありません」。すると彼は「フェアじゃないとはどういう意味でしょう」と聞き返しました。

そこで説明しました。「会社に対する差別的待遇です。保険会社に頼めば、あなた方それぞれに100万ドルの保険をかけられます。ひとりひとりが生命保険に加入できます。医務査定に通ることが前提ですが、皆さんとてもお元気そうです。おそらく保険料は1人当たり月額50ドルで、10年間のお支払いが必要です。10年間で3名分の保険ですと、最大18,000ドルを支払えば済みます。100万ドルも払わずに済むだけではありません。全員が死亡したら会社は300万ドル支払うことになります。現在のシナリオの場合、会社は18,000ドルで済むところを300万ドルも支払う可能性があります。その1,200万ドルの利子で、10年間で支払う18,000ドルの保険料を簡単に捻出できるでしょう。それなのに、なぜ自分の会社に差別的待遇を強いるのですか」

お客さまは私の説明を聞いてやっと理解できたと言いました。でも私はMDRTの教えをそのまま実践しただけです。「ありのままに表現する努力をせよ」という教えです。

お客さまは「生命保険に入る必要性を感じたことはありませんでした。一文無しだったとき、お金がなかったから保険に入ったのです。でも今はお金があるから、自己資金で賄えると思っていました。お金があるからいいと思っていました。でも今のお話の方が、資金をずっと有効に使えます。会社のお金で必要な資金を支払うよりも、保険会社に保険料を支払って1人当たり100万ドルのリスクを委ねる方が、確かにずっと有効です」

お客さまは私のアドバイスに納得してくださいました。彼とパートナーが1,200万ドルから得られる利息は、保険料を支払うには十分すぎるほどでした。彼は多くの人から保険に加入することを勧められていましたが、私から「会社に対する差別的待遇」という激しい言葉を聞くまでは、なぜ保険に入るべきか理解できなかったと言いました。会社にとって最大18,000ドルで済むのに、300万ドルを支払うのは雲泥の差です。

お客さまは私の説明を聞いてやっと理解できたと言いました。でも私はMDRTの教えをそのまま実践しただけです。「ありのままに表現する努力をせよ」という教えです。そこから「差別」という言葉を使うことにしました。この会社は資金があるというだけで不等に搾取されようとしていることを理解してもらうために、この言葉を使いました。お客さまは「もし会社にお金がなかったら、自分で保険に加入する」と言っていました。私が会社なら、10年間で18,000ドルを支払う方がましです。300万ドル、あるいは100万ドルを払うのは大変です。

Scott Grantはカナダ、ブリティッシュ・コロンビア州バンクーバーの24年間MDRT会員。Contact:scottg@ridgewealth.com